「母乳、足りてるかな?」と不安なママへ|赤ちゃんから分かる3つのサイン
「母乳、ちゃんと足りているのかな?」
母乳育児をしていると、一度はこんな不安を感じることがあるのではないでしょうか。
人工乳と違って、直接授乳では赤ちゃんが何mL飲んだのか目で確認することができません。
授乳したばかりなのに、また泣いている。
何度もおっぱいを欲しがる。
授乳後も寝てくれない。
以前ほど胸が張らなくなった。
そんな変化があると、「もしかして母乳が足りていない?」と心配になりますよね。
でも、母乳が足りているかは、授乳時間や胸の張りなど1つのサインだけで判断するものではありません。
大切なのは、赤ちゃんの「おしっこ」「体重の経過」「授乳中・授乳後の様子」などを合わせて確認することです。
この記事では、生後すぐ〜3か月ごろまでの赤ちゃんを母乳で育てているママ向けに、「母乳が足りているか」を確認するときに見てほしいポイントを紹介します。
「母乳が足りている?」は1つのサインだけで判断しない
まず知っておいてほしいのは、「このサインがあれば絶対に母乳は足りている」という1つの基準で判断するわけではないということです。
CDCでは、赤ちゃんが十分に母乳を飲めているサインとして、授乳回数、飲み込む様子、授乳後の様子、体重増加、尿や便など、複数のポイントを挙げています。
つまり、
「授乳時間が短かったから足りない」
「授乳後に泣いたから足りない」
「胸が張らなくなったから出ていない」
と、1つの出来事だけで母乳不足と判断する必要はありません。
赤ちゃん全体の様子を見ながら考えていきましょう。
① おしっこの回数と色を確認する
お家で確認しやすいポイントの一つが、赤ちゃんのおしっこです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、最初から毎日同じ回数のおしっこをするわけではありません。
CDCが示す目安では、最低限の濡れたおむつの回数は、生後1日目は1回、2日目は2回、3日目は5回、4日目以降は6回となっています。
AAPの保護者向け情報でも、生後5〜7日ごろには、ほぼ無色〜薄い黄色のおしっこで、1日6回以上の濡れたおむつが一つの目安として紹介されています。
感覚的には授乳のたびにオムツが濡れていればおしっこがしっかり出ているサインです。
ただし、ここで大切なのは、「6回あれば絶対大丈夫」と考えないことです。
おしっこは、母乳が足りているかを見るための判断材料の一つ。
特に生後数日は日齢によって目安が変わるため、赤ちゃんが生まれて何日目なのかも合わせて確認します。
おしっこの回数が少ない、濃い状態が続くなど、気になる変化がある場合は、小児科医などの医療者へ相談してください。
② 体重の「1回の数字」ではなく経過を見る
次に確認したいのが、体重の経過です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、出生後に一度体重が減少することがあります。
そのため、「昨日より体重が減っている=母乳が足りない」と、1回の数字だけで判断するものではありません。
CDCでは、母乳を飲んでいる赤ちゃんは最初の1週間にある程度体重が減ることは正常で、生後10〜14日ごろまでに出生体重へ戻ることを目安の一つとしています。
AAPも、赤ちゃんが十分に栄養を摂れているかを見るうえで、体重の変化を重要な判断材料として挙げています。
ここでも大切なのは、数字だけを切り取らないことです。
出生時の状況や日齢などによっても判断は変わります。
体重の増え方が気になるときは、「平均と比べてどうか」だけで自己判断するのではなく、小児科で赤ちゃん自身の成長の経過を確認してもらいましょう。
お家でも体重の変化を確認したい場合は、保護者が赤ちゃんを抱っこした状態で体重計に乗り、そこから保護者の体重を引く方法があります。
家庭用の体重計では細かな体重の変化までは分かりにくいため、「なんとなく増えているな」と大まかな経過を確認するための一つの目安として考えてください。
赤ちゃん用の体重計を用意して、授乳のたびに細かな数字を確認していると、かえって体重の増減が気になってしまうこともあります。
体重は1回の数字だけを見るのではなく、赤ちゃんのおしっこや授乳中の様子などと合わせて、全体の経過を見ていくことが大切です。
③ 授乳中・授乳後の赤ちゃんの様子を見る
数字以外にも、授乳中の赤ちゃんから分かることがあります。
たとえば、授乳中に母乳を飲み込んでいる様子が見える・聞こえることは、実際に母乳を飲めているかを確認するサインの一つです。
また、授乳後に赤ちゃんが満足した様子を見せることも判断材料になります。CDCも、授乳後に赤ちゃんが満足していることを、十分に飲めているサインの一つとして挙げています。
ただし、
「授乳後に寝た=必ず十分に飲めた」
「泣いた=母乳が足りない」
と単純に判断することはできません。
満足している様子も、あくまで複数あるサインの一つとして考えましょう。
「頻繁に欲しがる=母乳不足」とは限らない
「さっき授乳したのに、もう欲しがっている」
こんな日が続くと、母乳が足りないのではないかと不安になりますよね。
でも、授乳間隔が短いことだけで母乳不足とは判断できません。
CDCによると、生後最初の数日は1〜3時間おきに授乳することがあり、最初の数週間〜数か月では、多くの母乳育児の赤ちゃんが平均2〜4時間おきに授乳します。
一方で、一時的に1時間おきなど頻繁に飲むこともあり、これは「cluster feeding(クラスター授乳)」と呼ばれています。
授乳の長さにも個人差があります。
「○時間空かなかったから足りない」
「○分しか飲まなかったから足りない」
と時間だけで判断するよりも、おしっこ、体重、飲み込む様子などを一緒に見ていくことが大切です。
母乳が足りない可能性があるときに確認したいサイン
「様子を見ていて大丈夫なのか、それとも相談したほうがいいのか」
ここが一番迷うところだと思います。
CDCでは、母乳を十分に飲めていない可能性があるサインとして、生後5日を過ぎても体重が減り続ける、生後5日で1日の排尿が6回未満・排便が3回未満、授乳中にうまく吸着できない、飲み込む様子が確認できない、皮膚が黄色く見えるなどを挙げています。
また、AAPの保護者向け情報では、赤ちゃんを起こすのが難しい、弱くて吸えない、脱水が疑われる、ほとんど飲めない状態が続くなどの場合には、速やかな医療評価が必要とされています。生後12週未満の発熱についても、医療者への連絡が必要です。
「母乳が足りないのかな?」と思ったとき、ママだけで母乳量を判断しようとしなくても大丈夫です。
特に赤ちゃんの体重や体調に心配がある場合は、まず小児科医などの医療者に相談しましょう。
そして、赤ちゃんの健康状態に問題がないことを確認したうえで、
「ラッチはどうかな?」
「実際に飲めているかな?」
「授乳方法をどう整えていこう?」
という部分は、授乳支援を受けながら一緒に確認していくことができます。
「母乳だけ?ミルクを足す?」の前に考えてほしいこと
母乳が足りないかも、と思ったとき、
「ミルクを足したほうがいい?」
「母乳だけで頑張ったほうがいい?」
と、すぐに「どちらにするべきか」を考えてしまうことがあります。
でも、その前にまず確認したいのが、
「赤ちゃんは今、必要な栄養をとれているか」
ということです。
おしっこはどうかな。
体重はどう変化しているかな。
授乳中に飲み込めているかな。
ラッチはどうかな。
まず赤ちゃんの状態を確認する。
そして必要なサポートを受けたうえで、
「私は、これからどんな授乳をしていきたい?」
と考えてみてほしいと思います。
母乳だけで育てることを目指したいのか。
母乳とミルクを組み合わせたいのか。
授乳を続けたいけれど、今の大変さを少し減らしたいのか。
授乳の選択は、「こうすべき」という答えに自分を合わせるだけではありません。
赤ちゃんの安全と成長を確認しながら、ママ自身がどうしたいのかも大切にしていいと思います。
まとめ
母乳は飲んだ量が目に見えないからこそ、「本当に足りているのかな?」と不安になることがあります。
そんなときは、1回の授乳時間や赤ちゃんが泣いたことだけで判断するのではなく、
おしっこ、体重の経過、実際に飲めている様子などを合わせて確認することが大切です。
そして、気になるサインがある場合は、自己判断だけで様子を見続けず、小児科医などの医療者へ相談してください。
赤ちゃんの状態に問題がないことを確認できたら、次はママ自身の気持ちも考えてみましょう。
「母乳だけで頑張るべき?」
「ミルクを足すべき?」
ではなく、
「私はどんな授乳をしていきたい?」
その答えは、親子によって違っていいと思います。
母乳が足りているのか自分では判断できない。
授乳がうまくいっているのか見てほしい。
これからどんな授乳をしていきたいのか、一緒に整理したい。
そんなときは、公式LINEからご相談ください。
赤ちゃんの様子を確認しながら、あなたが納得できる授乳の形を一緒に考えていきましょう。
参考・出典
HealthyChildren.org(American Academy of Pediatrics)「How to Tell if Baby is Getting Enough Milk」
体重、排泄、授乳後の様子など、十分に母乳を飲めているかの判断材料を参照。
CDC「Newborn Breastfeeding Basics」
母乳が十分に飲めているサイン、おしっこ・便、体重の経過などを参照。
CDC「How Much and How Often to Breastfeed」
授乳頻度、cluster feeding(クラスター授乳)について参照。
