アメリカ出産

産後3〜5日、おっぱいがカチカチに張るのはなぜ?乳房緊満の対処法と相談の目安

yoridayori-yukie

「産後3日目になったら、急におっぱいがカチカチになった」

「胸全体がパンパンで痛い。これって乳腺炎?」

「揉んだほうがいい?それとも搾乳したほうがいい?」

産後3〜4日ごろは、母乳が増えてくるのに伴って、おっぱい全体が急にカチカチに張ることがあります。

アメリカで出産した場合、すでに病院を退院して自宅で過ごしていることも多い時期。

病院ではそこまで張っていなかったのに、自宅に帰ってから急におっぱいがパンパンになったら、びっくりしますよね。

この時期に両方のおっぱい全体が硬く張ってくる場合、母乳が増えてくる時期に起こる「乳房緊満」の可能性があります。

「母乳が溜まりすぎているなら、全部出さなきゃ」と思うかもしれませんが、カチカチになっている原因は母乳だけではありません。

だからこそ、強く揉んだり、空っぽになるまで搾乳したりすることが、必ずしも解決につながるわけではありません。

この記事では、産後3〜5日ごろにおっぱいがカチカチに張ったとき、どうしたらいいのかを中心に、

  • なぜカチカチになるのか
  • 張ったときにできること
  • 搾乳するときに気をつけたいこと
  • 冷やしたいときに使えるアイテム
  • 乳頭の痛みもあるときのケア
  • 一人で判断せず相談したい症状

についてお伝えします。

「今まさにカチカチで困っている」というママも、できるところから試してみてくださいね。

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産後3〜5日、おっぱい全体がカチカチになるのはなぜ?

産後すぐはにじむ程度だった母乳も、産後数日すると分泌量が増えてきます。

この時期に起こりやすいのが「乳房緊満」です。

Academy of Breastfeeding Medicine(ABM)では、産後早期の乳房緊満は典型的には産後3〜5日ごろに起こり、両方の乳房に痛みや硬さ、腫れがみられると説明されています。

ここで知っておいてほしいのは、カチカチになっているのは、母乳だけがパンパンに溜まっているからではないということです。

母乳が増えてくる時期の変化に加えて、乳房組織のむくみや血流の増加なども関係しています。

そのため、

「母乳が溜まっている」
↓
「全部搾り出さなきゃ」

と考える必要はありません。

産後3〜4日ごろに両方のおっぱいが急にパンパンに張ってきても、まずは「母乳が増えてくる時期には、こうした変化が起こることがある」と知っておいてくださいね。

おっぱいがカチカチに張ったときにできること

乳房緊満が起きたときに大切なのは、カチカチのおっぱいを無理やり柔らかくすることではなく、赤ちゃんが飲みやすい状態をつくることです。

赤ちゃんが欲しがるサインに合わせて授乳しましょう。

ただ、おっぱいがパンパンに張って乳輪まで硬くなると、

「赤ちゃんがくわえようとしても滑ってしまう」

「口に入れてもうまく吸えない」

ということがあります。

そんなときは、授乳前に乳輪周辺を少し柔らかくしてあげると、赤ちゃんがくわえやすくなることがあります。

乳輪までカチカチなら、強く揉むのではなく「圧を少し抜く」

張ったおっぱいを「しっかり揉んでほぐす」といったケアを聞いたことがある方もいるかもしれません。

でも、カチカチになった乳房を強く揉みほぐす必要はありません。

ABMでは、深く強い乳房マッサージは、炎症やむくみ、組織へのダメージを悪化させる可能性があるため避けるよう示されています。

乳輪までパンパンで赤ちゃんがくわえにくい場合には、乳輪周辺へやさしく圧をかけ、一時的にむくみを奥へ移動させて柔らかくする方法があります。

Reverse Pressure Softening(RPS)と呼ばれる方法です。

ここでの目的は、おっぱいを揉みほぐすことではありません。

赤ちゃんが乳輪をくわえて吸いやすくなるように、少し圧を抜いてあげるイメージです。

「硬いからほぐさなきゃ」と頑張らなくても大丈夫です。

パツパツでつらいとき、搾乳はどのくらい

「張って痛いから、搾乳器で全部出したほうが楽になるのでは?」

と思うかもしれません。

でも、乳房を空っぽにすることを目標にする必要はありません。

母乳は、乳房から多く取り除かれることで、さらに作られる方向へ働きます。

そのため、張りをなくそうとして必要以上の搾乳を繰り返すと、母乳の産生がさらに促され、張りが続く原因になることがあります。

ABMも、乳房を空にすることを目標とした搾乳を避ける考え方を示しています。

張りが強くてつらい場合には、必要に応じて少量の乳汁を出してあげましょう。

私がママにお伝えするときには、

「パツパツだったおっぱいに、少しゆとりが出たかな」

くらいをひとつの目安としてお伝えしています。

シリコン製の搾乳器を使う場合も、「全部出すため」ではなく、張りを少し和らげたり、赤ちゃんが吸いやすい状態にしたりするために必要な分だけ、と考えてみてください。

電動搾乳器も必要な場合には使用できます。

ただ、このタイミングで「張っているから」と必要以上に搾乳することはおすすめしません。

搾乳器の種類にかかわらず、「たくさん搾る」よりも「必要な分だけ」を意識してみてくださいね。

熱を持って張ってつらいときは冷やしてみる

おっぱいがパンパンに張って、熱を持っているように感じることもあります。

そんなときは、冷やすことでつらさが和らぐことがあります。

ABMでも、産後早期の乳房緊満や炎症に対して冷却が取り上げられています。

一方で、「温めれば母乳が流れやすくなる」と考えて、張った乳房を長時間温めることはおすすめしません。

ABMでは、温熱によって血管が広がり、症状を悪化させる可能性も指摘しています。

「温めて流す」よりも、熱を持って腫れてつらいときには、まず冷やして楽にしてあげると考えてみてください。

産後の張りや痛みがつらいときに使えるアイテム

ここからは、産後のおっぱいの張りや痛みがつらいときに使えるアイテムを紹介します。

それぞれ目的が違うので、今の症状に合わせて使い分けてくださいね。

① 張りを少し楽にしたいとき:シリコン製搾乳器

おっぱいがパツパツに張ってつらいとき、必要な分だけ乳汁を出すためにシリコン製搾乳器を使う方法があります。

大切なのは、「全部搾るためのもの」ではないということ。

パツパツだった乳房に少しゆとりが出て、楽になったくらいをひとつの目安にしてみてください。

紹介アイテム:シリコン製搾乳器

② 張りや熱感がつらいとき:乳房用保冷・ホットパック

おっぱいが熱を持ってパンパンに張っているときは、乳房に沿わせやすい保冷パックがあると便利です。

今回のような乳房緊満では、温めるためではなく、冷却する目的で使います。

紹介アイテム:乳房用保冷・ホットパック

③ 乳頭も痛いとき:Medela ハイドロジェルパッド

産後3〜5日ごろは、おっぱいの張りだけでなく、

「授乳するたびに乳頭が痛い」

「下着が触れるだけでもつらい」

というママもいると思います。

そんなときに使えるアイテムのひとつが、乳頭用のハイドロジェルパッドです。

Medelaのハイドロジェルパッドは、授乳による痛みのある乳頭や亀裂のある乳頭をケアするためのアイテムです。

私自身も産後すぐに乳頭が痛かったときに使いました。

冷蔵庫で冷やしたハイドロジェルパッドがひんやりして、とても気持ちよく感じたのを覚えています。

ただし、これは乳房全体のカチカチとした張りを改善するためのものではありません。

「おっぱいも張っているし、授乳で乳頭も痛い」

そんなときの乳頭ケアとして、知っておくと便利なアイテムです。

紹介アイテム:Medela ハイドロジェルパッド

使用するときには、商品の最新の説明書も確認してくださいね。

図解|おっぱいがカチカチになったとき、どうする?

カチカチだから…

「強く揉んでほぐす」
「搾乳して全部出す」

↓
ではなく

「赤ちゃんが飲みやすい状態に整える」

↓

赤ちゃんのサインに合わせて授乳

↓

乳輪まで硬い?
→ やさしく圧をかけて、赤ちゃんがくわえやすい柔らかさに

↓

パツパツでつらい?
→ 必要な分だけ乳汁を出して、少し楽になる程度に

↓

熱を持って張ってつらい?
→ 冷やして楽にする

↓

強い赤み・痛み、発熱や悪寒、悪化する、改善しないなど気になる症状がある?
→ 一人で判断せず相談する

目指すのは「おっぱいを空っぽにすること」ではなく、赤ちゃんが飲みやすく、ママも少し楽な状態です。

「ただの張りかな?」と迷ったら、一人で判断しなくて大丈夫

産後3〜5日ごろに両方のおっぱいが硬く張ること自体は、母乳が増えてくる時期に起こることがあります。

でも、

「これは普通の張り?」

「乳腺炎になっている?」

と、自分では判断しにくいこともありますよね。

乳房の一部分が強く赤く腫れて痛む、発熱や悪寒など全身の症状がある、症状がどんどん強くなる、ケアをしても改善しないなどの場合には、乳房緊満だけだと自己判断せず、医療者へ相談してください。

また、乳頭から出血している、灼熱感がある、感染が疑われるといった場合にも、相談しておくと安心です。

「このくらいで相談していいのかな」

と我慢しなくても大丈夫です。

自分では判断がつかないこと自体も、相談する理由のひとつです。

まとめ

産後3〜5日ごろになると、母乳が増えてくる変化とともに、おっぱい全体がパンパンに張ることがあります。

そんなときに覚えておいてほしいのは、

「カチカチ=母乳を全部出さなきゃ」ではない

ということです。

強く揉んでほぐしたり、空になるまで搾乳したりするのではなく、赤ちゃんが飲みやすい状態に整えてあげましょう。

乳輪まで硬ければ、赤ちゃんがくわえやすいようにやさしく圧を抜く。

張りがつらければ、必要な分だけ乳汁を出す。

熱を持ってつらければ、冷やす。

そして、「いつもの張りと違う気がする」「この方法で合っているのかな」と迷ったときには、一人で頑張らなくても大丈夫です。

産後のおっぱいは、毎日どんどん変化していきます。

ネットで「こうすべき」という情報を探し続けるより、

「今の私のおっぱいと赤ちゃんだったら、私はどうしたい?どうする?」

を一緒に整理していくことも大切です。

公式LINEでは、アメリカで出産・育児をしている日本人ママの授乳について、助産師としてご相談をお受けしています。

「これって普通?」

「搾乳したほうがいい?」

「このまま授乳を続けて大丈夫?」

そんな小さな迷いでも大丈夫です。

一人で判断するのが難しいときは、いつでもご相談くださいね。

ABOUT ME
Yukie
Yukie
ラクテーションコンサルタント/日本の助産師・看護師・保健師
アメリカでラクテーションコンサルタント(授乳の国際資格)日本の助産師として妊娠産後授乳相談、産後ケア、妊娠産後ドゥーラサービスを提供しています。日々の活動で感じたこと、海外子育てに奮闘する方のよりどころとなれるような存在になり、必要とされている情報や経験談をお届けできるようにこのブログを立ち上げました。
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